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誰かの付属物を示す名前?

現在Robin HobbのAssassin's Apprentice読み中Robin HobbのFareseerシリーズ第一作である。前々から気にはなっていた作家だが、ようやく挑戦というわけ。これ、始まりが暗いし、何かイベントがあるまでがすごく長い。でも、なんか惹かれるものがある。

この本は6歳の男の子がおじいさんに連れられて城にやってくるところから始まる。(正確には成長したこの男の子の回顧録なんだが)王家の第一継承者であるChivalryの庶子ということで、王家で面倒見てくれ、と母方の祖父が置いていくというわけだ。

この子、実は名前がなく、6歳まではただBoyと呼ばれていた。Boyと呼ばれるのは日本語では「おい、おまえ!」とか言うのと同じようなもんだ。

Chivalryの家来に預けられてからも、この子、Fitzと呼ばれるばかりで名前がない。Fitzというのはもともと「息子」という意味なんである。(英文ウィキペディアFitzのページ参照)

スコットランドなんかでFitzなんとかと言う苗字が多くあるが、あれはなんとかの息子というところから来た苗字である。後にとくに王家の庶子はFitzなんとかという名前がつけられたらしい。

有名どころではアメリカの作家のScott FitzGeraldと言う名前があるが、Geraldの息子の家系というわけだ。

ついでだが、McなんとかMacなんとかというのもなんとかの息子という意味。

このFareseerシリーズを読み始める前に読んだのが、Margaret AtwoodのThe Handmaid's Taleだが、こちらは、オーウェルの1984を彷彿とさせる近未来ディストピア小説で、いろいろと厳しい戒律で制御されている社会が舞台となっている。

そこでは、女性は権力ある男性に「所属」している。主人公の女性は赤のユニフォームを着ているのだが、これは、権力者の子供を産むという役割を担っていることを示している。そして、こういった女性たちには名前がない。その代わりOffredだとかOfglennだとか呼ばれているのだ。これがof+所属先の権力者の名前だということに気がついたのは、読み始めてからしばらくたってからだった。

Offredはof+Fred=Fredの という意味になる。つまりFredの妾ということか。そういえば、日本の「○○さんの奥さん」というのも、誰かに付属したものとして認識されているという点では、似たようなものかもしれない。

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# by Johnnycake2 | 2012-04-25 08:43 | 社会・習慣 | Trackback | Comments(2)

Leviathan三部作を読んで

Scott WesterfeldのLeviathan三部作を読了した。おもしろくてほぼ一気読み。

このシリーズ、第一次世界大戦が舞台なんだが、所謂スチームパンクという分野のSFで、実際の歴史を取り入れてはいるものの、設定は別世界。

イギリスを中心とする連合軍はダーウィニストと呼ばれ、遺伝子操作を中心とする技術で生物を乗り物や兵器としている。対するドイツを中心とする勢力はクランカーと呼ばれ、機械一辺倒なのだ。

ダーウィニストのDerynは、15歳の少女なんだが、どうしても空を飛びたくて、男と偽って海軍の飛行隊に入隊する。飛行隊の所有する最大最強の飛行船がLeviathanなんだが、この飛行船は主に(!)くじらでできている。そう、鯨である。空飛ぶ鯨なのだ。

そして、その空飛ぶ鯨は、スイスに不時着し、そこに潜んでいた逃亡中のオーストリアハンガリー帝国の皇太子がLeviathanにやってくるというわけ。この皇太子Alekもまた15歳。

この二人の友情を織り交ぜながら、冒険の数々と珍妙な動物たちの登場がなんとも言えず楽しいシリーズなのである。

空飛ぶ鯨と言って思い出すのが、ダグラス・アダムズのコメディSF「銀河ヒッチハイクガイド」である。ここでは、ほんの少しだけだが、空飛ぶ鯨が出てきて、それが惑星に衝突するまでが描かれている。このわずかの間の鯨の惑星に対するリアクションがすごくいい。

Leviathanシリーズの飛行船も、はっきりとした意思を表示するわけではないが、どうやら何らかの意識があることがわかっていて、自ら危険回避を試みたりするのだから、おもしろい。

Leviathanの船内では、連絡の手段にMessage Lizardというものを使っている。トカゲなんだが、メッセージ発信者の言葉を声もひっくるめて覚え、受取人のところに行ってその言葉をそのまま吐き出すという優れもの。いわゆる生物版テープレコーダーなんだ。これが、戦闘中にパニックになって、これまで覚えた言葉の端々を脈略なく発する場面が妙におかしい。

このメッセージトカゲで思い出したのが小野t不由美の「十二国記」に出てくる鳳凰のような鳥だ。この鳥は「書簡」という短編に出てくるのだが、やはり送り主の言葉をそのまんま覚えて、送り主の声で相手にメッセージを聞かせるというものだった。

Leviathenシリーズの2巻目であるBehemothから本格的に登場する動物に「思慮深いロリス」とも訳すべき変な動物が出てくる。これもまたメッセージトカゲと同じように人の言葉を覚えて再生するのだが、トカゲと違うのは、入った言葉をそのまま再生するのではなく、「思慮深い」発言をするのだ。2巻、3巻でどんどんと「成長」(というのか「進化」と言うのか)していくロリスの発言がたまらなくいい。

Leviathanの3巻目Goliathでは、空飛ぶ鯨が日本の東京にまでやってくる。そのときに日本海軍が使う生物兵器が「河童」である。しかし、この本のイラストに出てくる「河童」はどうみても「ワニ」をベースにしているとしか思えない。



↑この絵で空中高く飛び上がっているのが「河童」である。いやはや、これは、もうちょっとイラストレーターの方に下調べをしていただきたかったと言うか、何と言うか…。

河童に関しては、ハリー・ポッターのCare of Magical Creatureの教科書に出ているほうが日本人としては、河童のイメージに近いと思う。

# by Johnnycake2 | 2012-04-15 08:03 | 文化・歴史 | Trackback | Comments(2)

ハリー・ポッターに出てくる人名(?) ラジオ・ネーム編

ハリー・ポッターと死の秘宝 原作ネタばれちょっとだけあり


久しぶりにハリー・ポッターと死の秘宝のオーディオブックを聞いている。忘れていたことがいっぱいあって、改めておもしろい。

その中で、ハリー、ハーマイオニー、ロンがあちらこちらと旅する途中、Potter Watchというラジオ番組を聞く場面が出てくるのだが、そのラジオ番組に登場する人たちの「ラジオ・ネーム」が、改めてよくできてるなぁ、と感心した。

ラジオのパーソナリティーは、ホグワーツでクィディッチの解説をしていたリー・ジョーダン。英語ではLee Jordanなんだが、彼のラジオ・ネームがRiverとなっている。これは、Jordan River(ヨルダン川)から来てる。イスラエルとヨルダンの国境を流れる有名な川だ。

ゲストにはキングスリー、ルーピン、フレッドが登場しているが、キングスリーのラジオ・ネームはRoyal。これKingsley(読みがKings + ly = 王さまのような)からRoyal(王の)となったと思われる。

ルーピンのラジオ・ネームはわかり易くRomulus(ロームルス)。これはもちろん、ローマを建国したとされるロームルスとレムスの双子の兄弟の兄の名前である。ルーピンの本名はRemus Lupinで、弟のRemus=レムスであるから、ラジオ・ネームには兄のほうの名前を使っているというわけ。

フレッドは、最初リーにRodentと呼ばれてそのラジオ・ネームじゃなくって、Rapierにしてくれ、と言う。Rodentというのは、齧歯目のことだが、これが苗字のWeasley(イタチ+のような)から連想されているとしたら、これまたおもしろい。イタチはRodentを餌とするネコ科の動物だ。Rapier(レイピア)は、細身の剣でヨーロッパで決闘に使われたそうだ。(ウィキペディアのレイピアのページ参照)

そりゃ、フレッドにしてみれば、ネズミよりゃ細身の剣のほうがいいに決まっているけれど。

それにしても、キングスリーにしても、ルーピンにしても、ラジオ・ネームの意味が殆どないんじゃ?というくらいアカラサマで笑える。

# by Johnnycake2 | 2012-03-22 20:16 | 文化・歴史 | Trackback | Comments(2)

The Children's Book 読了

中断・再開してようやくA.S.ByattのThe Children's Book読了。The Children's Book読書中を記事にしてから半年近くたってしまった。

でも、半年かけて読む価値大有りなすばらしい小説である。日本語訳はまだないようだ。(邦訳の予定があるのかな?)

19世紀末から第一次世界大戦までのイギリスとドイツの歴史をベースにし、実在の人物も登場する歴史小説。主な登場人物の一人がE.S.Nesbitという女流作家をモデルにしていると言われる。

表紙を見ているだけで幸せになれるくらい美しい色合いとデザインの表紙。キンドルで読んだので、表紙を毎日楽しむというわけにはいかなかったのだけれど、この表紙だけは手元に置いておきたいかも。

A. S. Byatt
Vintage Books USA
発売日:2010-05

すばらしいの一言。Rich Tapestryとはこういう本のことを言うのだな。
19世紀末から第一次世界大戦までのイギリスとドイツを描いた歴史小説で、登場人物の子供たちの多くが10代前半から20代後半になるまでを追っている。また中心になる大人の一人がE.S.Nesbitをモデルとした女性作家なんだが、彼女の作家としての成功とは裏腹に私生活が崩壊してゆくのもまたすごかった。


これからゆっくりこの小説に出てきた実在の人々や、歴史背景を調べてみたいと思う。そういうのも、歴史小説の楽しみだよな~。

# by Johnnycake2 | 2012-02-12 10:15 | 文化・歴史 | Trackback | Comments(0)

ミレニアムシリーズを読みながら

現在The Girl with the Dragon Tattoo読み中。スゥエーデン語で出版された3部作の一巻で、スウェーデン語で映画化もされたベストセラー。その後英語でも映画化がされている。



これを読んでておもしろいのは、ところどころにJ.R.R.トールキンの指輪物語関係の描写が出てくること。40年前の少女失踪事件を解明するべく雇われたジャーナリストが、その一族が住む島でリサーチするのだが、その少女の大叔父にあたる人なんかゴラムに例えられている。

主人公のジャーナリストの本名はMikael Blomkvistというのだが、あだ名はスゥエーデンの有名な児童作家リンドグレーンのシリーズ「名探偵カッレ君」からカッレ・Blomkvistというのだったりする。

この作品、連れ合いと平行して読んでいるのだが、連れ合いはKalle Blomkvistという名前に全然ピンと来ていなかった。それってやっぱり連れ合いが児童文学とかあんまり読まなかったから?と思っていたんだけど、英語のこのシリーズでは、カッレ君の名前は、Bill Bergsonと訳されていたのだった。

この辺、この本を英訳するときにMikael BlomkvistをMichael Bergsonとしてあだ名をBill Bergsonとしていたら、結構「あ~、あの話ね!」という英語話者も多かったってことなのかな。

この本ではまた聖書がかなり重要な鍵を握っていて、またちゃんと聖書も読まないとキリスト教圏の文学が楽しめないかな、と思ったりした。ま、この本の場合ちゃんと聖書のどこそこにそういう記述があってと親切に書いてくれているんで問題ないんだが。

# by johnnycake2 | 2012-01-18 08:45 | 言葉・文学 | Trackback | Comments(0)

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