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ハリー・ポッターに出てくる人名 ホグワーツ先生編

ハリー・ポッター5巻「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」までのネタバレあり



前回ウィーズリー家の名前について書いたが、今回はホグワーツの先生たちの名前編。これも、色々あるのだが、私が一番ほほぉ~、と思ったのは、3巻からハリーたちに占い学を教え、また5巻では、過去にかなり重要な予言をしたことが明らかにされるシビル・トレローニー先生だ。シビル(Sybil)というのは、実際にある女子の名前なのだが、もともとは、Sibylと書いて古代ヨーロッパ世界の役職名だったそうだ。このSibylというのは、神殿で神託を授かる女性の役職で、いわゆる巫女さんなのだ。神託は必ずしも予言ではないが、それが、中世に入ってこのSibylにはキリストの到来を告げる神託もあったというように解釈され、それを受けてSibylたちがミケランジェロのシスティナ礼拝堂の天井画にも描かれているというのだからびっくり。日本語では「XXの巫女」というように説明されている部分がSibylのことだそうだ。(システィナ礼拝堂の天井画を名称つきで説明しているサイトがあったので、参考まで。)ちなみに、トレローニー先生のご先祖様で有名な預言者だったという設定のカッサンドラとう名前は、予言の力を持ったトロイの王女から来ている。この女王、トロイの戦争で有名なヘクトルとパリスの妹である。(ウィキペディアのカッサンドラの項参照)

セヴェレス・スネイプ、ハリーの仇みたいな先生だが、いくつかのハリー・ポッターファンサイト(英語)では、SeverusはSevereから作った造語だという説が有力だった。Severeとは、厳しい、過酷なと言った意味で、severe teacherというと厳格な教師ということになる。確かにネヴィルなんかは震え上がっているし、severeな先生だ。しかし、私はセヴェレスにはseverの意味もあるのじゃないかと思っている。severとは断ち切る、切断する、隔てるというような意味だが、セヴェレスは、スパイとして暗躍し、常に自分の仲間から切断されている状態にある。severeとseverと両方の意味を込めているのじゃないかと思うのだ。

3巻で闇の魔術の防衛術を教えてくれるリーマス・ルーピン先生だが、これもまたおもしろい名前だ。ルーピンは3巻の後半で狼男であることが暴露される。リーマスはRemusと書くが、これは狼の育てられた双子ロムルスとレムス(ローマの創始者として有名)のレムスのことだ。ルーピンというのは、ラテン語のLupus=狼から来ている。実は、この「ルーピン」、モーリス・ルブランの書いた怪盗ルパンの「ルパン」と同じなのである。もう20年近く前になるが、オーストラリアの多文化放送局で宮崎アニメの「ルパン3世 カリオストロの城」が吹き替えで放送されたことがあって、その冒頭の説明によると、「ルパン」という名前は著作権の問題があって、英語版では当時使えなかった。なのでルパンは英語版ではずっとwolf(狼)と呼ばれてた。その時はどうしてwolfになるのか説明もなかったので不思議に思っていたが、ハリー・ポッターでリーマス・ルーピンが登場して、調べてみて初めてわかった。狼=ルパン(ルーピン)という図式があったとは…。

by johnnycake2 | 2007-08-12 21:01 | 文化・歴史