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O.W.L.とO-level

ハリー・ポッターの通うホグワーツでは5年生と7年生で大きな試験がある。5年生のそれは、O.W.L.と呼ばれ、Ordinary Wizarding Levelと略とされている。7年生でのそれはN.E.W.T.と呼ばれ、Nastily Exhausting Wizarding Testの略である。この二つの試験は、イギリスの中学・高校で実際に行われるO-level, A-levelと呼ばれる試験を模したものだ。

連れ合いはイギリス人だが、彼やその妹と話していると、このO-LevelやA-Levelについて語られることが多々あり、O-LevelやA-Levelをいくつ取ったというような言い方をする。これは、ハリーポッターの中でも全く同じで、パーシーはO.W.L.を12個取ったが双子は3個しか取れなかったというように言われている。このO-level、A-levelはGeneral Certificate of Educationというテストの二つのレベルOrdinary LevelとAdvanced Levelのテストだったのだが、1986年からは、O-levelの代わりにGCSEと呼ばれる新たな試験が行われるようになっている。よって、ここ20年間はO-levelという言われ方は正式にはされていないのだが、しかし、ローリング女史の世代にとっては、O-level、A-levelという言い方のほうが馴染みがあり、O.W.L.もOrdinary Wizarding Levelとなっているのだから、当然O-levelを意識している。もちろん、O.W.L.は魔法使いが通信に使うフクロウをもじっているものでもある。

それに関して、6巻でO.W.L.の結果がもうすぐ出るというハリーに向かって言うダンブルドアの台詞がいい。"Don't count your owls before they are delivered."(UK版79ページ)と言うのだが、このまま直訳すると、「配達される前に自分のフクロウの数を数えるな」というようになるが、この場合、元となっていることわざ"Don't count your chickens before they are hatched." 「卵が孵る前に鶏の(雛の)数を数えるな」と照らし合わせてowlがchickenと重なるようになっている。しかし、ダンブルドアのcount your owlsの場合、配達されるのは、フクロウではなく、O.W.L.の結果なのであるから、本来ならば、Don't count your O.W.L.sとするべきで、「配達される前に自分のO.W.L.の及第科目の数を数えるな」というのが正しい意味だ。

by johnnycake2 | 2007-08-19 21:57 | 文化・歴史